ミュージカル「四月は君の嘘」感想|2022/5
本日5月29日に東京公演千秋楽を迎えた「四月は君の嘘」の感想を書きます。
良かったーとひたすら言ってる、ネタバレたっぷり長文です。
世界初演、人生で指折りの好きな作品だったと思う。
観劇後君嘘の音楽がずっと頭の中に流れて、ふわふわ過ごした記憶に残る5月でした。
ミュージカル「四月は君の嘘」
東京公演
2022年5月7日~29日@日生劇場
全国公演(群馬・愛知・兵庫・富山・福岡)
2022年6月~7月
キャスト
小関裕太/木村達成(有馬公生)
生田絵梨花(宮園かをり)
唯月ふうか(澤部椿)
水田航生/寺西拓人(渡亮太)
未来優希(かをりの母)
原慎一郎(かをりの父)
ひのあらた(審査員/医師)
三木麻衣子(審査員/看護師)
元榮菜摘(井川絵見)
ユーリック武蔵(相座武士)
中村翼(三池俊也)
飯塚萌木
石井千賀
片岡芽衣
柴田実奈
杉浦奎介
須田拓未
高瀬雄史
千歳ふみ
角田萌夏
露詰茉悠
中野太一
松村桜李
山﨑感音
山野靖博
吉井乃歌
𠮷岡花絵
佐藤凌/ポピエルマレック健太朗/松浦歩夢(幼い公生)
小野桜介/土屋飛鳥(大介)
木村花代(公生の母の声)
スタッフ
原作: 新川直司
脚本: 坂口理子
作詞・作曲: フランク・ワイルドホーン
作詞: トレイシー・ミラー/カーリー・ロビン・グリーン
編曲: ジェイソン・ハウランド
訳詞・演出: 上田一豪
(敬称略)
事前に一部聴いていたときはそこまでピンときていませんでしたが、ワイルドホーン作曲、ジェイソン・ハウランド編曲の音楽が本当に良かったです。
初観劇時は冒頭のオケから音楽に惹き込まれ、公生の歌う「僕にピアノが聞こえないなら」からだいぶ泣きました。木村達成さんの日でした、こんなに悲しみの深い曲だったとは。オケの演奏、幼い公生、母親の声、コーラスの構成にも魅せられる濃厚なナンバー。
公生やかをりたちメインキャストが歌う美しいメロディーはめっちゃ心情を語るし、「僕らの時間」「Speed of Sound」学園祭の「最後の夜」などキラキラした青春ぽいアンサンブル曲も最高だし。
さまざまな人物によって印象的に歌われる「映画みたいに」とか、初めてかをりの演奏を聴いた公生の「でも聴こえる彼女の声~」のとことか、椿渡&アンサンブルの「明日世界が終わるとしても~」などなど強く印象に残っています。
小関裕太さんと木村達成さんの公生、それぞれ違いがありつつ、どちらの繊細な雰囲気、佇まい、背中、受けの演技(笑えるところもシリアスなところも)、柔らかな声が素晴らしかったです。毎回、終盤の演技に本当に心を揺さぶられました。
生田絵梨花さんが魅力いっぱいに演じられたかをり。公生に向ける笑顔には好きが溢れていました。特に1人で小さく歌うところ、公生の家でピアノを前にしたシーンや入院中のシーンなど、繊細で澄んだ声で美しいメロディーを歌うとたまりませんでした。「君はひとりじゃない」と伴奏を頼むところもめっちゃ公生にとっての光だった。星を見た帰り道、車椅子を押されながら思いを語る演技に胸が締めつけられました。
椿役、唯月ふうかさんはもう完璧で、漫画から飛び出してきたキャラクターで作品の世界観をすごく作っていたと感じます。2次予選演奏シーンでの表情の変化に泣けました。「大丈夫一人にしない~」と歌うところの力強さが好き。「は?」の言い方が好き。
水田航生さん、寺西拓人さんの渡もそれぞれ違って魅力的でした。渡は他人の気持ちに寄り添える優しい人で、明るさにほっとします。椿と息合うの好き。にこにこケーキ食べてるとこ好き。終盤公生の背中を押すときの熱さ、かっこいいです。
未来優希さんと原慎一郎さんが演じるかをりの両親は、登場シーンのすべてが娘への愛に溢れていました。かをりの退院祝いのシーンでのお2人の歌、思い出すだけで涙出ます。「映画みたいに」のリプライズで力のある歌詞。最後の登場が手術前のシーンのため悲痛…2人のその後の人生を想わずにはいられません。
パワフルな歌が耳に残る、井川絵見役元榮菜摘さん、相座武士役ユーリック武蔵さん、大事な役割で存在感がありました。元榮さんソロでオペラグラスを構えるお客さん多かったです、原作・アニメ(未見)の絵見のビジュアルを見て、目がそっくりに感じました。
アンサンブルキャストは大勢いるのに、全員の個性を見れました。学生役などもそれぞれキャラ立ちしています。ソロを歌っているのが誰かも分かりやすい。今回初めて知った方も少なくなかったですが、ナチュラルヘアメイク&SNSに衣装でのお写真がアップされていることもあってすぐ覚えられました。
ざっくりではあるものの、各アンサンブルキャストの担当する役がプログラムに載っているのもいいな。コンクールなど本番時のアナウンスの声はどなたか気になっています。
初めて知った方の中で、ダンスや動きに目を離せなかったのが松村桜李さん。「Speed of Sound」が最高、歌も上手かったですが音大トランペット科を卒業された方。歌声が好きだなと思ったのが須田拓未さん、角田萌夏さん、柴田実奈さん。
すごい方々が集まったアンサンブルキャストで作り上げるシーンは、どれも圧巻でした。ダンスより歌が得意だろう方も目立つパートでバチバチに踊ってる。振付も良い。ミュージカルで、大勢で客席向かって歌うの好きなのですが、そんなシーンにも痺れました。二幕頭も好き。皆で全力で歌って踊るミュージカルって最高と思う。
学園祭のキラキラした光景が、刹那的で尊くて泣けてしまいました。かをり達や皆にとってこの時間が永遠に続けばいいのに…と心から思う。「One Note」のメロディー使われる(ですよね?)のも好き。
輝いていた高校生たちにもう会えないの、まるで学校を卒業した後のような寂しさがあります。
綺麗な星空だったな。
椿のソロナンバー「月の光」の途中でピアノを弾いていた公生を登場させるの、そのときの椿の表情も含めてとても好きでした。
ラストシーンも大好き。春。
劇場に来れて、幕が開いて、こんなに心が動く作品を観れる幸せを感じた東京公演期間でした。エネルギーを受け取って、帰り道はとても心が満たされてた。悪いもの落とされて心が浄化された感じです。
お客さんの反応も良くて、カーテンコールでは全員に対してボリューム大の拍手が起こる感じでした。2年待ち望んでいたお客さんもたくさんいるよね。
企画が始まったのは2016年。2020年に予定どおり上演されていたら観劇予定でなかったのですが、2020年のキャストでも観たかったな、メイン4役6人以外のキャストは、ある程度の変更がありました。子役の子も…幼い公生役の中で松浦歩夢さんだけは続投。プログラムに載っていた上演までの歩みを読んで、関わった人たちの思いを想像して胸が熱くなりました。
映像に残して欲しい、忘れたくない、音楽を何度も聴き返して味わいたい。
音楽について興味深く読んだ、キャストの山野靖博さんが書かれていたnote貼らせていただきます。→ https://note.com/yamanononote/n/nbb973c25c0aa
遠くないうちに再演して欲しい、長く上演されて愛される作品になりますように。記憶が薄れないうちに原作も読みます。
上田一豪さんの演出作品、積極的に観たいと思いました。歌詞も素敵で翻訳ではないみたいでした。
素敵なカンパニーが7月の大千秋楽まで走り抜けられますように。
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