レ・ミゼラブル2021まとめ・振り返り
2021年の「レ・ミゼラブル」は、10月4日に松本で大千秋楽を迎えました。約3ヶ月経過しましたが、今年最後に少し振り返りたいと思います。
感染対策で、キャストは例年のように完全シャッフルではなく、チームに分けてほぼ固定のメンバーで上演、一定期間ごとにチーム替えをするといった形でした。そのためキャストの組み合わせには偏りもあり、ほとんど共演がなかった方々も。
同じ役のキャスト同士は稽古でもほとんど会えなかったようで、特に初出演の方は大変だったと想像します。稽古中も本番も、長期にわたりこれ以上ない感染対策を徹底されていたと思います。
プロの皆さんにとっては当たり前なのかもしれませんが、体調不良者が出たらすぐに交代できるよう、常に待機しているのも大変…ダブルのアンサンブルキャストは、他の仕事を入れられないですよね。実際に東京公演でも、キャストの休演をダブルキャストがカバーした回がありました。
関係者の方々の並々ならぬ努力によって、5月から約2ヶ月間の帝劇公演はすべて予定どおり上演されました。しかし、関係者に新型コロナウイルスの感染が広がってしまい、8月の博多公演の後半と、9月の大阪全公演が中止となりました。
2020年に「ミス・サイゴン」が全公演中止になった時、驚きショックでしたが、「レミゼの年じゃなくてよかった…」とも思いました。しかし、1年後、状況は悪化してしまっていて。
大所帯のカンパニーで、いつ誰が感染してもおかしくないと分かってはいた。帝劇公演が開幕する前も、本当にレミゼが予定どおり上演できるのか?リスクが高すぎて…と思っていたけれど、帝劇公演を無事に完走してしまったから、もう大丈夫と、当たり前に公演は続くような気がしていた。
博多公演の途中で残り全公演の中止が発表された後、大阪公演は、まず前半の中止が発表され、その時点では後半からの再開を目指していたようですが、結局後半も中止となってしまいました。
ツアー最終地の松本公演も、直前までどうなるか分からない状況でしたが、実施が発表されました。
松本公演もできず、あんなに素晴らしい舞台を届けてくれたキャスト、関係者の皆さんが辛い思いをする事態にならず本当によかった…。
しかし、松本公演に出演しなかったキャストは、本来の千秋楽を迎えられませんでした。
アンサンブルキャストの半数と、コゼット役敷村珠夕さん、テナルディエ役橋本じゅんさん、マダム・テナルディエ役谷口ゆうなさんは、大阪公演で千秋楽を迎えるはずでした。
ジャン・バルジャン役福井晶一さん、ブリジョン役松村曜生さんは、松本公演に出演予定だったものの、出演がかないませんでした。
そして、松本公演に出演しなかったリトルコゼットの子役がお2人いたことに、胸が痛くなりました。公演期間中に衣装が合わなくなることもある、成長期の子役ちゃんたち。また次期に出演の可能性がある大人とは事情が違い、近年の続投例はなかったと思います。
もちろん大人だっていろいろな苦しい思いがある、私たちには想像しかできないけれど。
また、博多、大阪で観られなかった観客が大勢いたわけです。もし自分が、2年間楽しみに待っていたレミゼが観れなかったらと考えると、とても耐えられません…。好きなキャストが今年で卒業かもしれない。いつものように、2年後に上演決定のお知らせもない状況。
大千秋楽の挨拶で、ジャベール役伊礼彼方さんが、「博多、大阪へもう一度行くのが僕らの仕事」とお話されたとのこと。
次期は、博多、大阪の公演期間が長いとよいなと思います。今年はもともと、大阪の公演期間が11日間しかなく、チケットが激戦だったようです…。
もちろん、帝劇でもできるだけ長く上演してほしいですが。希望は、専用劇場でロングラン公演か、毎年公演してもらえたらよいのですけどね。
例年なら、秋に大千秋楽を迎えた後、すぐに次期のオーディションが始められていたのだけど。2023年、レミゼやると思っていてよい?やるとして、発表は1年前とか半年前とかになるのでしょうか。
2021年は帝劇で6回、松本で1回、観劇することができました。
個人的に初めて地方公演に行ったり、コロナ禍で中止後復活のドラマがあったり、松本公演前楽のカーテンコールが熱すぎたりしたこともあり、今までで一番気持ちが入った今年のレミゼ…。
今年のレミゼも最高だった、観るたびに、この世にこんな素晴らしいものがあるのかと思ってしまう。
まぶしくて素晴らしい世界すぎて、観劇後現実が辛くなることもわりとある(笑)。
松本大千秋楽のカーテンコールでは、当日出演しないキャストが映像で参加し、全員で民衆の歌を歌うサプライズ演出が。そして、2021年キャスト全員の役名と名前が、エンドロールのように映し出されました。動画もアップされています。
大楽を観に駆けつけた、松本公演に出演しないキャストもたくさんいたようですね。
そして、次の日から関係者の方々はそれぞれ新たな道へ、止まらず走り続けてる。
また再会したい、2021年のカンパニーに…。
2021年「レ・ミゼラブル」キャスト(敬称略)
ジャン・バルジャン:福井晶一 吉原光夫 佐藤隆紀
ジャベール:川口竜也 上原理生 伊礼彼方
ファンテーヌ:知念里奈 濱田めぐみ 二宮愛 和音美桜
エポニーヌ:唯月ふうか 屋比久知奈 生田絵梨花
マリウス:内藤大希 三浦宏規 竹内將人
コゼット:熊谷彩春 加藤梨里香 敷村珠夕
アンジョルラス:相葉裕樹 小野田龍之介 木内健人
テナルディエ:駒田一 橋本じゅん 斎藤司 六角精児
マダム・テナルディエ:森久美子 谷口ゆうな 樹里咲穂
ガブローシュ:井伊巧 小松葵生 重松俊吾
リトル・コゼット/リトル・エポニーヌ:絢田祐生 宇佐見有紗 小田島優月 加賀見陽 三浦あかり 若井愛夏
司教:鎌田誠樹 増原英也
工場長:石飛幸治 伊藤俊彦
バマタボア:宇部洋之 武藤寛
グランテール:川島大典 丹宗立峰
フイイ:岩橋大杉 浦奎介
コンブフェール:鈴木たけゆき 古川隼大
クールフェラック:今井学 持木悠
ジョリ:新井海人 島崎伸作
プルベール:藤田宏樹 横田剛基
レーグル:深堀景介 藤岡義樹
バベ:岩﨑巧馬 町田慎之介
ブリジョン:長尾哲平 松村曜生
クラクスー:大津裕哉 土倉有貴
モンパルナス:柴原直樹 田川景一
ファクトリーガール:宇山玲加 島田彩
買入屋:般若愛実 廣野有紀
かつら屋:桑原麻希 三上莉衣菜
マダム:關さや香 松岡美桔
宿屋の女房:中村萌子横山友香
カフェオーナーの妻:五十嵐志保美 木南清香
病気の娼婦:石丸椎菜 菊池愛
鳩:大泰司桃子 門田奈菜
あばずれ:小林風花 篠崎未伶雅
若い娼婦:井上花菜 笠行眞綺
キャストの感想などは、別の記事に書いています。
レ・ミゼラブル2021帝劇公演の感想②プリンシパルキャスト編
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