ミス・サイゴン2022感想
本日大千秋楽。日本初演30周年の2022年「ミス・サイゴン」。
観劇したのは帝劇公演のみのため、本当に今さらではありますが書きました。
2020年に全公演中止。衝撃でした。
メインキャストのほとんどが変更なくリベンジとなった今年、初日の幕が予定通り開かなかったときは胸が痛くなりました。
しかし、4ヶ月近くある長い公演中、中止となった回数は最小限だったかと。大人数でキャスト同士の接触も多い作品、中止がこれだけ少なかったのはすごいことだと思います。
この時代に大変な作品を、素晴らしい舞台を上演していただけたことに感謝です。
6年ぶりに観るサイゴン、6年経てば感じ方も作品も変化するので、新鮮に観ました。
My初日は思っていた以上につらい気持ちになりました。昆夏美さんのキムはとても幼く見えたし、市村正親さんのエンジニアはクラブオーナーに「混血野郎」と言われて沈黙してしまうし。
音楽が本当に美しくて最高。
初めてサイゴンを観た夫は、照明がとても印象的だったとのことでした。
作品が良いうえ、スキルの高いキャスト(でないと歌えない表現できないのだと思います)が集まっていて、海外にまったく劣らないクオリティの高い公演を観れて幸せでした。
スペシャルカーテンコールのあった1500回目の公演も、偶然観劇できました。
ナイトメアのシーン、これを見るために通ってしまう。圧倒されます。
ドリームランドの雰囲気も、オープニングや「Why God Why?」のときのベトナムの空気も好き。
Why God Whyといえば、後奏がカットされたのには全然慣れませんでした。
全キャストは観れていません、全員素晴らしかったのですが、特に印象に残ったキャストのことを書きます。
本当に全員良かったのですが…!
一番心を動かされたのは神田恭兵さんだと思う。初めて演じられてから14年目のトゥイ役。トゥイが生きてきた月日の重みをとても感じ、描かれていないドラマを想像しました。
市村正親さん、駒田一さん、伊礼彼方さんを観て、エンジニアはこんなにも演じる人によって違いの出る自由な役なのだなと思いました。なんて味わい深い役なんだとも。東山義久さんのエンジニアは時期観れますように。
屋比久知奈さん、「17歳で初めて~」とソロを歌い始めたときのインパクト大で、キムそのもので素晴らしかったです。
悲惨な展開ですが、海宝直人さんのクリスのまっすぐさにはなぜか救われるような気持ちになりました。
則松亜海さんのジジ、大使館のゲート前でキムを見つけた瞬間の悲痛な表情がとても刺さって、涙が出ました。ポートピープルのシーンではたくましく見えた、幸せになってほしいと思いました。
鈴木満梨奈さんの身体の動きが美しすぎて、ドリームランドでも、ピンポンガールとして登場するバンコクでも見惚れてしまいました。お芝居にも目を惹かれました。
小島亜莉沙さん、ドリームランドでの貫禄ある感じが好きでした。赤ちゃんを抱く姿にアリージャンスを思い出していました。
副人民委員長、川島大典さんもスウィングの大津裕哉さんも、トゥイの死のときのお芝居がとても良い。
もともとのお顔はかわいらしい雰囲気だと思う横田剛基さん、エンジニアを罵倒する人民委員のとき目がかなりイッてて怖い顔をしてた。
萬谷法英さん、伊礼さんエンジニアのときのアドリブに楽しませてもらいました。クラブオーナーと結婚式のヌードルボーイのギャップが大きい。
どの作品でも同じことを思いそうですが、藤田宏樹さんのお顔が舞台映えして目立つ。ハスラー役が似合っていました。
コロナで注目が高まる前からスウィング制をとっていたサイゴン。スウィングのアンサンブルキャストは1人で3枠ほどをカバー、マチソワで違う役となることもあり、人によっては他の本番も掛け持って、皆さんプロですがすごいことをされています。
時々スウィングキャストと交代する以外は休みなしの、シングルキャストの皆さんもすごいです。
アクロバットで魅せるドラゴンダンサーの皆さんは、ダブルキャストでも身体を心配に思ってしまいます。
音響について、帝劇の序盤に2階で初観劇した際、ソロのマイクの音がかなり小さく感じました。その後1階で観たら2階よりは聞こえ、帝劇の終盤に2階で観たときには前より聞こえましたが、それでも個人的にはやや物足りなさを感じました。クリアできれいには聞こえるのですが。
叫ぶように歌う箇所はもう少し音量があってもよかったです。ナイトメアのキムクリスのパート等。個人の感想です。
今年、個人SNSへの衣装写真の投稿が解禁されて、さまざまな衣装、お写真が観れて嬉しかったです。
強力な新キャストも加わり、2025年に現在の帝劇が休館になる前にもう1度観れるかなと思っていたのですが、ない感じでしょうか…。今回のキャストでまた観たいです。新しい帝劇でもヘリコプター出てきますように…。
「ミス・サイゴン」
@帝国劇場
2022年7月29日~8月31日
9月~11月大阪・愛知・長野・北海道・富山・福岡・静岡・埼玉公演あり
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