「太平洋序曲」感想|2023/3

2023版「太平洋序曲」感想です。

出演者は普段観てる好きな方たちばかりだけど、普段観てるのと違う斬新なミュージカル。
観るまでどんな作品なのか分からず、観た後もどう解釈すればよいかを考える作品でした。

舞台美術が美しかったです。

「此処は島国」でのセット転換と照明が美しく、キャストのパフォーマンスも音楽も完成されていて、1曲目から心を掴まれました。

セットの円形窓の使い方が天才と思った…「Poems」で月となり、提灯を持ったキャストが出てくるところが好きでした。

味わい深いソンドハイムの音楽。
難しい音楽に日本語がはまってた。
音響が良く、声も楽器の音もかなりクリアに聴こえました。

歌の表現が特別に素晴らしいと思うアンサンブルキャストが集まり多くのソロを担っていましたが、歌以外も何もかもすごくて名人芸の連続。
大変クオリティが高く、満足度が高くて、何度もリピートして楽しみたい作品でした。

「Please hallo」はこんなテンションのお芝居をこんなクオリティの生パフォーマンスで観れることってなかなかない体験と思いながら楽しみました。
それからこの一曲で、将軍役朝海ひかるさんのコメディがすごく見たい…と思わされました。

山本耕史さん、舞台を操る狂言回しとしての存在感が抜群でした。

香山と万次郎はダブルキャストそれぞれの個性が活きていて、皆さま和装が似合ってビジュアルが良い!
海宝直人さん、静かできれいな曲を超きれいに歌って聴かせてくれました。
廣瀬友祐さん、たまてと仲睦まじくて柔らかく優しい雰囲気が素敵でした。

武藤寛さん、和服が洋服以上に似合いかっこよかった。「Someone in a Tree」、木はもうないことに切なくなりつつ、最後木に登るシーンの輝きが大好きで涙が出ました。

藤田宏樹さん、谷口あかりさんとペアで踊り側転もしてびっくり、アンサンブルキャストファンに美味しい作品のなかでも特に藤田さんファンに美味しいと思った活躍ぶりでした。

井上花菜さん、本編に加えカーテンコールまで立ち姿が美しくオーラがありました。

綿引さやかさん、幕開けの素晴らしいソロに驚き興奮しました。「他に道は」のたまてはずっとつらい表情ですが、香山を最後に見送る瞬間だけはぱっと笑顔を見せるのに泣けました。

言及できていない方も全員インパクト大で爪跡残してました。

香山の死に方が気の毒でしたが、たまてが死後も香山を待ち続けていたと思うと、帰るべき場所に帰れたのだという気がしました。

本番の衣装も素敵なものばかりでしたが、パンフレット掲載の写真も、メインキャスト、アンサンブルキャストともにかなり素敵でテンションが上がりました。

休憩なしの1時間45分、短くは感じず、このくらいの上演時間見やすくていいかもと思いました。

「太平洋序曲」
2023年3月8日~29日
大阪公演あり
「太平洋序曲」公式サイト